2025/02/16 07:40

R7 2月16日
猪と美味しいコーヒーの意外な関係
こんにちは、
カミナリコーヒーの須藤賢人です。
今日はちょっと変わったテーマ、「猪(イノシシ)と美味しいコーヒーの関係」についてお話ししたいと思います。
コーヒーといえば、山の斜面で育つアラビカ種の豆や、熱帯の豊かな自然の中で育まれるコーヒーノキを思い浮かべるかもしれません。でも、ここに意外なプレイヤーとして「猪」が登場するのです。
猪とコーヒー畑の攻防戦
猪は雑食性で、木の実や果物、土の中の根や昆虫などを食べることで知られています。では、コーヒーの実も食べるのか? 答えは「イエス」です。猪はコーヒーチェリー(コーヒーの果実)の甘い果肉が大好き。とくに熟した実は糖度が高く、甘い香りを放つため、猪にとってはごちそうです。
このため、コーヒー農園では猪の被害が問題になることがあります。猪が畑に侵入すると、根を掘り返したり、木を倒してしまったりすることも…。しかし、ここに面白い話があるのです。
猪の舌が選ぶ「最高品質」の豆
猪が食べるのは、熟して甘くなったコーヒーチェリーばかり。つまり、猪に食べられるということは、それだけ糖度が高く、完熟した最高の状態にある証拠とも言えます。
実際、ジャコウネコが食べたコーヒーチェリーの未消化の種子(コーヒー豆)が「コピ・ルアク」として高級品になっているように、動物が選んで食べるコーヒーには「美味しさのヒント」が隠されていることが多いのです。
猪が食べ残したコーヒーチェリーの中には、収穫に適した完熟豆が紛れていることもあります。これをヒントに「動物が選ぶ豆」を基準にすることで、より美味しいコーヒー作りに活かせるのでは?と考える農園もあるのです。
猪と共存するコーヒー農園
もちろん、農園にとっては猪の被害をゼロにしたいところ。しかし、一方で猪が元気に生きているということは、その土地の自然が豊かである証拠でもあります。農薬や化学肥料を使わず、自然の力を活かした農法を取り入れるオーガニックな農園では、猪ともうまく共存する道を模索しているのです。
例えば、猪が好む果樹を農園の周辺に植えることで、コーヒー畑への侵入を防ぐ方法があります。また、猪が土を掘り返すことで土地の通気性がよくなり、土壌の微生物が活性化するという副次的なメリットも。これらをうまく活かせば、自然と調和したコーヒー作りが可能になります。
「猪に選ばれたコーヒー」は美味しい?
もし猪が自由にコーヒー農園を歩き回り、最も美味しいチェリーだけを選んで食べていたとしたら、それは「自然のソムリエ」が選んだ最高の豆と言えるかもしれません。
実際に、野生動物が関与するコーヒーの品質向上については研究が進められており、「動物の味覚を利用した選別」が新たなコーヒーづくりのヒントになる可能性もあります。
私たちカミナリコーヒーが扱う「バリアラビカ神山ハニー」も、自然との調和を大切にした栽培方法で作られています。今日も現地の森には猪がいて、最高の豆を見極めているのかもしれませんね。
まとめ
猪とコーヒー、まったく関係なさそうに見えて、実は「最高品質の豆を選別するナチュラルフィルター」としての役割を持っているかもしれません。
もちろん、猪に畑を荒らされてしまうと農家にとっては大変ですが、猪の行動をヒントに「より美味しいコーヒーを生み出す工夫」ができるかもしれないと考えると、ちょっと面白いですね。
コーヒーの世界にはまだまだ知られていない「自然の知恵」が詰まっています。これからも美味しいコーヒーと、その背景にあるストーリーをお届けしていきますので、お楽しみに!
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