2025/03/09 10:58



雷珈琲今日のブログ


―― コーヒーチェリーと発酵の歴史、そして革新的な精製技術の軌跡 ――


コーヒーは単なる嗜好品ではなく、その裏側に広がる歴史と技術の結晶でもあります。


今日のブログでは、私たちが日々大切にしている「コーヒーチェリー」と、


そこから生まれる発酵の世界について、

改めてご紹介します。


これを知ることで、一杯のコーヒーに込められた深い物語と情熱を感じていただければ幸いです。



1. コーヒーチェリーの魅力


コーヒーチェリーとは?


コーヒーノキが実らせる美しい赤い果実「コーヒーチェリー」。その中には、焙煎される「豆」として知られる2つの種子が宿っていますが、果実自体は外皮、ジューシーな果肉、粘液質、保護層であるパーチメント、そして焙煎時に取り除かれるシルバースキンという複数の層から成り立っています。各層が持つ独自の成分が、最終的なコーヒーの風味や香りに大きく影響しているのです。


チェリーが生む風味の秘密


果肉や粘液質には豊富な糖分や酸が含まれ、これが発酵工程で豆に移ることで、フルーティーな甘味や爽やかな酸味、時にほのかなスパイス感を演出します。つまり、コーヒーチェリーはただの外装ではなく、一杯のコーヒーの個性を決定づける大切な要素なのです。



2. 発酵の歴史とその現代的応用


発酵とは何か


発酵は、微生物(酵母や乳酸菌など)が糖分を分解し、酸やアルコール、その他の風味成分を生成する自然のプロセスです。古代からチーズやヨーグルト、ワインなどで利用されてきたこの技術は、コーヒーの精製工程にも取り入れられ、豆の風味を引き出す重要な役割を担っています。


精製工程における発酵の種類

ウォッシュドプロセス

コーヒーチェリーから果肉を除去し、残ったミューシレージを発酵槽で分解。これにより、クリーンで明るい酸味が際立つ豆が得られます。

ナチュラル・プロセス&パルプドナチュラル(ハニープロセス)

収穫後、果肉や粘液質をある程度残したまま乾燥させることで、コーヒー豆にフルーティーな甘味や複雑な風味を付与します。

アナエロビック・ファーメンテーション

無酸素状態で発酵を行う最新技術です。従来の自然発酵に比べて、発酵の進行をより精密に管理できるため、均一で独自性の高い味わいが実現します。


発酵の歴史と現状


古来より、発酵は食品の保存や風味付けに利用され、その技術は時代とともに進化してきました。コーヒー産業においても、エチオピアやブラジルで伝統的な発酵法が受け継がれ、近年では科学的知見を取り入れた制御発酵が注目されています。これにより、スペシャルティコーヒー市場では、従来にないフルーティーで複雑な風味の豆が次々と生み出され、品質の均一性も向上しています。また、発酵工程で発生する副産物のリサイクルなど、持続可能な生産方法としての可能性も秘めています。



3. おわりに


コーヒーチェリーと発酵。これらは、一見シンプルながらも奥深いプロセスと技術の結晶です。私たち雷珈琲は、日々この伝統と革新が融合した技術を駆使し、最高の一杯をお届けするために努力しています。お客様に、ただ美味しいだけではなく、コーヒー一杯に込められた歴史や情熱を感じていただければ、これほど嬉しいことはありません。


ご覧いただき、ありがとうございます。


―― 雷珈琲 須藤

#自家焙煎  #オーガニックコーヒー  #雷珈琲