2025/03/19 22:40

「雷鳴のコーヒー 〜時を超える一杯〜」
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第1章:現代 〜伝説のコーヒー〜
バリ島・キンタマーニ。
とあるコーヒー農園に、
ひとりの若い旅行者が訪れる。
「どうぞ。
このコーヒーは、
占領国が変わるたびに消えかけ、
それでも生き残った伝説のコーヒーです」
そう語るのは、
陽気なコーヒー博士。
「ほほほー、
これはただのコーヒーではありませんぞ!」
博士がすすめる特別な一杯。
それは、
カミナリくんの力が込められたコーヒーだった。
旅行者が一口飲むと──目の前の景色が歪み、
過去の世界へと引き込まれる。
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第2章:オランダ統治時代 〜始まりの種〜
17世紀、
オランダ東インド会社によって持ち込まれた
ティピカ種のコーヒー。
キンタマーニの農民たちは、
その豊かな土壌と
広大な落ち葉の菌糸ネットワークを活かし、
丁寧に木々を育てていた。
しかし、
オランダ人たちは農民を厳しく支配し、
コーヒーはすべて彼らに搾取されてしまう。
「この土の力を信じろ。
大地は見えない力で我らを守ってくれる」
農民の長老はそう語るが、
ある日、
大量の木が伐採され、
土壌が弱り、
コーヒーの収穫量が激減してしまう。
その時──空に雷が轟く。
カミナリくんが現れ、
そっと豆に手をかざす。
すると、
大地の菌糸ネットワークが活性化し、
コーヒーの木が息を吹き返す。
農民たちは歓喜し、
密かにこの豆を守る決意をする。
「このコーヒーを未来へつなげるんだ」
──場面が再び歪み、次の時代へ。
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第3章:日本統治時代 〜戦火を超えて〜
時は1940年代。
日本がバリを占領すると、
コーヒーの扱いが変わる。
日本の兵士の中には、
戦時中でも美味しいコーヒーを求める者がいた。
「うまい…これは、
ただのコーヒーじゃないな」
一人の兵士が、
農民たちの隠し持っていたコーヒーを飲み、
その味に驚く。
戦争が激しくなる中、
コーヒー農園も危機にさらされる。
しかし、
ある夜、
雷鳴が轟くとともに、
カミナリくんが再び現れ、
豆に力を込める。
「このコーヒーを消してはいけない」
そう語るしゃべるコーヒー豆の声に導かれるように、
日本兵のひとりが農園を守る決意をする。
「戦争が終わったら、この豆を日本に持ち帰る…」
──そして、時代は現代へと戻る。
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第4章:現代 〜未来へつなぐ一杯〜
旅行者が目を覚ますと、
コーヒー博士がニヤリと笑っていた。
「ほほほー、どうでしたかな?
時を超える味は?」
すべての歴史を知った旅行者は、
感動に震えながらもう一口飲む。
「このコーヒーを未来へ残さなければ」
そう決意し、
農園の未来を支えるための行動を起こすのだった
──。
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エピローグ:時を超える雷鳴
雷が再び鳴り響く。
カミナリくんは、
遠くからそっとコーヒー農園を見守っていた。
「よし、これでまたひとつ、守られたな」
そして、彼はまた次の時代へと旅立つのだった──。
つづく。
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