2025/04/06 16:38


■ 「ぶどう酸」から「りんご酸」へ?


― 酸のキャラクターが見えてくる温度帯


ぶどうの皮のような渋みを伴う酸、


つまり酒石酸(タルタル酸)は、

比較的高温でも知覚されやすい強めの酸味。


一方、りんごのようなジューシーでまろやかな酸、リンゴ酸(マリック酸)は、

中温以下でその個性が際立ちます。


同じ「酸味」といっても、

化学的な構成が違えば、

味の感じ方もまったく異なるのです。


たとえば、エチオピア産のウォッシュドタイプではクエン酸とリンゴ酸が主軸になっており、冷めるにつれて「黄桃」「レモンキャンディ」「グリーンアップル」などの明るく透明感のある風味が感じられます。



■ カップの中で起こる、味の地殻変動


コーヒーは「変化しない液体」ではありません。

温度というスイッチによって、次々と味のレイヤーが切り替わっていく――それが、スペシャルティコーヒーの面白さでもあります。


カミナリコーヒーの神山ハニーを例にとると:

90℃:焙煎によるマカダミアナッツやブラウンシュガーの印象

60℃:はちみつやキャラメルのような優しい甘さ

40℃台:赤リンゴやプラムのような果実の輪郭

30℃以下:白ワインのような、澄んだ酸味と香りの余韻



■ おわりに:飲み終わるころ、やっと本当の味に出会う


コーヒーを急いで飲みきってしまうのではなく、

5分、10分とかけて向き合うことで、豆が持っているポテンシャルが見えてきます。


「温度が下がるほど、おいしくなるコーヒー」

これはスペシャルティコーヒーの評価基準のひとつでもあります。


次の一杯では、時間とともに訪れる“味の変化”に、ぜひ耳を傾けてみてくださいね。


今日もカミナリコーヒーをありがとうございます!


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